小麦からパン

まだ畑を持っていなかった頃に手に入れた、一袋の小麦の種。

その小さな種を畑にまくところから始まって、何度も収穫し、脱穀し、粉にして、ようやくパンを焼くところまでたどり着きました。

何年もかかって、やっと叶った夢です。

はじまりは、一袋の小麦の種でした

畑を始める前のこと。あるカフェに小さなコーナーがありました。

自分で育てた野菜の種を持ってきて置いたり、そこにある種を自由に持ち帰ったりできるコーナーです。

いつか、たとえ畳一畳分でもいいから、自分で野菜を育ててみたい。

そんなことを思っていた頃です。

そこで見つけたのが、小さな袋に入った岩手の「南部小麦」の種でした。

いつか畑に植えてみたい。

そう思って、その種をいただいて帰りました。

まさか、その種が何年もかけてパンになるとは、そのときは思ってもいませんでした。

その数ヶ月後、思いがけない出会いがあり、近くの里山にある畑を借りることができました。

2021年3月。

そこから私の畑のある暮らしが始まりました。

その畑との出会いについては↓こちらの記事を是非お読みください😊

やさしい畑と手作りの暮らし:畑との出会い
畑との出会いがもたらした新しい世界。自然と触れ合うことで得られる癒しと楽しさ、そしてあたたかい人々との交流を通して得た気づきと感動をあなたにも伝えたい!

畑に行くようになって、見える世界が変わった

2021年3月に畑を始めていろんな野菜を育て、さまざまなことを学びました。

初めて畑の土に触れ、眺めるうちに、よくいる虫たちだけでなく見たことも無いような小さな虫たちの世界が見え始め、何と土にはこれほど壮大な世界が繰り広げられているのか!に気がつきました。

小さい頃によく見ていたアニメは虫たちの世界が描かれているものが多かったなあ。。。子供の頃は、遊びの中で虫たちとの関わりが多かったなあ。。なんて思い出しながら。

それまで都会に出掛けては美味しいもの、素敵なもの、楽しいこと、にしか興味がなかった私にとって、土に触れる体験はそれまでの生き方、価値観を大きく変えるものでした。

自然に対してほとんど関心のない生活から、逆にこれまでの物質社会にほとんどときめきを感じなくなってしまいました。登山とかアウトドアとかがまるで苦手だった私に、突然自然への扉が開いて迎え入れてくれたようでした。

そして畑にいられることが何より癒しであり喜びであり、畑にいつもいたい!くらいの愛情を感じて畑に通い続けました。

農薬も肥料も無しの自然栽培に挑戦して、まぐれでうまくいく事もありましたが野菜を上手に作ることがいかに大変で難しいか、少しずつわかるようになって来ました。

でも私にとっては、自然が恵んでくれる事そのものがただありがたくて、驚きで、どんな形でも、ミニチュアサイズでも、種から育てたものが実になるだけで嬉しかったし、草を刈るのも楽しいし、さまざまな雑草と言われる草にも顔見知りが増えてきたし、畑がある、というだけでいつも幸せな気持ちでいました。

そして、あの小麦をまく季節が来た

11月になり、ついに小麦を蒔く季節になりました。

本やネットで調べたら、ただ植えるだけで特に何もしなくても、冬の間2〜3回麦踏みをするだけ、という簡単さ。

さらに、麦を植えるとその根が土を柔らかくする効果もある、ということでした。

小さな1袋分を1畝に2列で植えて、本当に順調に育ち、翌6月には黄金色に実り、収穫できました。

手作業でいろんな方法を試して何とか脱穀し、ジップロック1袋分の実をゲットできました。

脱穀、どうしよう。

翌年の2022年、隣の敷地が空いたため更にお借りすることができ、11月にはそのジップロック1袋分の小麦のタネを広い畝に全部蒔くことが出来たのです。

だけど植えたものの、脱穀はどうすればいいかな。。という問題はずっと頭にあって、小さい1畝分なら手作業で何とかなったけど、小さい田圃くらいの広さの小麦、一体どうしよう。。。

きっとどうにかなるだろう、と思いながら散々調べたり、畑仲間や畑の横を通るいろんな人に、小麦の脱穀の悩みを話していました。が、解決しないまま収穫を迎え、大量の小麦を手作業で脱穀しました。それでもまた秋には小麦を蒔きました。

そしてその翌年2024年。小麦の収穫が近づいた頃、里山の向こう側の畑の方が「昔の脱穀機」を手に入れた、という情報が風の噂で聞こえて来ました😳

それはすごい!「昔の脱穀機」への好奇心も相まって、何とか私もちょっと使わせていただけないか、と何度もその方のいる畑に足を運び、ついにその方にお会いできて脱穀機を使わせていただくことになりました!✨

家庭菜園レベルなので大した量ではないにしても、息子と大きなビニル袋4袋分抱えて畑の向こう側まで行きました。そこで待ち構えていた脱穀機がこちら↓

戦前のものだそうです!感動的でした!文字が右から書かれているのにも感激でした!🤩

手前の木材の部分を足で踏んで回すのです。昔の足踏みミシンを思い出しました。

1人が足踏みでこぎ、もう1人が束を抱えてぐるぐる回る突起で穂に衝撃を与え、実を弾き飛ばしていくのです。結構な力仕事で、ちょっと腰が痛くなりました。。😅

そして広いビニルシートを敷いてはいましたが、勢いよく回る脱穀機の突起の部分に当たって、多くの小麦の実がシートの場外に勢いよくはじけとんでしまったのです!

後で調べたら、ちゃんとシートなどで囲って飛び散り防止をしなければならなかったみたい。。💦

まあ、多少収量は減りましたが、大きなビニル袋の半分くらいの実が採れました。

不慣れなので完全には実を採り切れてないので、その後手作業で採りそびれをチェックする作業が必要でしたが、ありがたいことにその足こぎ脱穀機のおかげで脱穀の労力がかなり軽減されました。

小麦を粉にする

次は製粉です。

収穫した小麦を、電動のミルで挽いてみました。

そして、ふるいにかける。

そうしてできた粉で、まずは全粒粉のクッキーを作ってみました。

ところが。

ちょっと大きな粒が残っていて、食べるとジャリジャリします。

「ああ、もっと細かく挽かないといけないんだな」

と思いました。そのまま残った小麦は、次の種まき用に取っておくことにしました。

そのタネがこのように↓芽が出て、実り、

そして今年もめでたく収穫できました!今年は収量が昨年の1/3くらいだったので脱穀は手作業にしました。

ついにパンになった

そして今年こそは「念願のパンを作ろう!」と願い、ついにその夢が叶いました。

脱穀・製粉を試行錯誤の末、目の粗いのと細かいのとで2度篩ふるいをかけて、

何とか「夢のパン」を焼き上げるところまで漕ぎ着けました。

食べてみると、本当に味わい深くて、美味しい。

もちろん、パンそのものの美味しさもあります。

でも、それだけではない、なんとも言えない感動の味。

畑と同じように温かくてやさしい味がしました。

その様子をYoutubeに投稿しましたので、是非ご覧いただけましたら嬉しいです!☺️

今回、小麦を育ててみて初めて、その長い道のりを自分の手で少しだけたどることができました。

毎年手作業でちまちまと脱穀して、自分でもよくやるなあ。。と思っていましたが、たった一畝から始まった小麦が、何年もかかって、ようやく一つのパンになりました。

今年もまた、次の小麦を植えようと思います。

ここまでお読みくださってありがとうございました。

畑のWANOKA

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